97/11/07作成
98/01/07更新
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▼都会の雑踏の中で
▼ロンドン脱出
▼サイレンセスター、そしてバイブリー
▼コツウォルドはバスに乗って
▼北へ
8月12日 火曜日続き
13:05にダブリンを出たエア・リンガス198便は、14:00過ぎにヒースローターミナルに着いた。今日のロンドンのホテルはあらかじめ予約してあるのだが、旅行最終日のロンドンのホテルも予約した方がいいかと思い、空港のインフォメーションセンターへ行く。眼光鋭い係員におそるおそる「あのう、ロンドンのホテルを予約したいんですけど」と言ったとたん、空気が乾燥していたせいか、コンタクトレンズがぽろりと落ちた。係員は、「市内へ行ってから市内のインフォメーションセンターへ行ってください」とつれない。間の悪さを感じつつ、なくすといけないので「失礼」と彼の目の前でレンズをはめた。それをじっと見ていた係員が一言「大丈夫か」と言ってくれた。てへ。
空港バスの乗り場は少しわかりにくい。予約してあるホテルはパディントン駅のすぐ近くなので、バスの運転手に「パディントン駅に行く?」と聞くと、「いーや、行かない。ロンゲスト・ゲートが一番近い」と教えてくれた。一番長い門なんて地名はガイドブックにも載っていないが、とりあえず乗り込むことにする。隣の席には派手なプリントのターバンと、お揃いの柄のワンピースを着けた、いかにもなアフリカ系のオバサン。
バスの中から見るロンドンは、桁違いに人が多い。日本人もいっぱい。アイルランドでは、日本人に会うと「こんにちは!」と挨拶してたけど、ここではとてもそんなことは無理だ。太陽も照りつけていて、やっぱり暑い。
運転手に教えられて降りた所は、ロンゲスト・ゲートではなく、ランカスター・ゲートだった。どうもロンドンの人の言葉は分かりにくい、と自分の語学力を棚に上げて思う。
ホテルに着いてみたら、パディントン駅の近くも近く、駅の隣だった。・・・やかましすぎる。しかもクーラーはない。レセプションのおねえさんは暑さのせいか大変愛想が悪い。部屋は日本のビジネスホテル並みの狭さで、殺風景。煮しめたようなベッドカバーが掛かり、あのダブリンのB&Bさえ懐かしくなるほどだ。都会の安いホテルはどこでもこんなもんなのだろうか。
ともかくピカデリーサーカスのトラベルセンターへ行こうと、チューブ(地下鉄)に乗る。いろいろうわさを聞いていたチューブだが、観光客ばかりという感じでもなく、そう怖い雰囲気でもない。中にはでっかい扇風機を買って家に帰る人もいる。なにしろイギリスには記録的な熱波が来ているのだ。
トラベルセンターにはあらゆる資料があったが、宿の予約サービスはやめた旨書かれてあった。必要な人は自分で電話しろ、ということらしい。そんなことはようしないので、さしあたり最終日のことは忘れ、明日行く予定のコツウォルド地方についての情報を仕入れることにした。ガイドブックに載っていて気になっていたサイレンセスターという街へいく方法を尋ねたら、時刻表を調べて、「ケンブルという駅で降りて、そこからバスに乗り換えるといいよ」と教えてくれた。バスの時間も詳しく教えてもらえた。大変ありがたい。
あれこれ資料を見ていたら、あっと言う間に閉館時間になってしまった。センターの周囲には有名どころのデパートなどが沢山あるのだが、ロンドンと言えどもやはり閉まるのは早い。うーん、ハロッズのフードホールに行ってみたかったのに…
右も左もわからぬおのぼりさんなので、人混みのなかで妙に緊張する。屋台も沢山出ているが、何となく手がでず、サンドイッチ屋さんでまたもやサンドイッチを買って夕食を済ますことにしてしまった。今回はちょっぴりエスニックなタイ風サンドだから一味違うのだ、と心の中で言ってみたりする。
ホテルは夜になってもやかましいし、暑い。21:00ごろから23:00ごろまでベッドにひっくり返って寝てしまい、慌ててあすの行動予定をたてる。2:00ごろ就寝したが、遠くに雷雨の音を聞く。
8月13日 水曜日
7:30目が覚める。外は小雨。予想はしていたがホテルの朝食はひどかった。煮出して1時間も保温したようなコーヒー。あとはクロワッサンとプチパン、ジャム、フルーツジュースを自分で取りに行く、完璧なコンチネンタルスタイル。機内食の方がまだましだ。
少し早いが9:30チェックアウト。手続きもドライなもの。雨はあがり、今日も暑くなりそう。パディントン駅で現金が少なくなっていたのでトラベラーズチェックを現金化する。が、手数料がめちゃ高。
あらかじめ日本でブリットレイル・フレキシーパス(へへっ、ファーストクラス)を買っていたので、使用開始の手続きを駅の窓口でする。わたしがあたった窓口の係員は、ヒゲをはやしてターバンを高く巻き上げた男性で、われらがJRにはいらっしゃらないタイプの方である。
予定の列車は何番ホームなのか、なかなか発表されない。仕方ないので荷物を持ったままパディントングッズの店などを冷やかす。
ようやくホームが発表になり、列車に乗り込んだ。ヨーロッパではたいていそうだが、イギリスの列車も自動ドアではない。とりわけ、イギリスの列車は内側に把手がないので、初めての人は特に降りるとき要注意である。どうやって開けるかというと、列車が止まってランプが消えたら、ドアの窓を押し下げて、窓から手を出して外の把手を掴んで開けるのだ。日本民族である(従って腕の短い)わたしには一苦労である。開けたら閉めるのも忘れずに。
とにかく、ファーストクラスなので座席はがらがら、余裕で座れる。テーブルは広いし、新聞なんかもタダで配ってくれる。のんびりしていると飲み物のワゴンを運んできた。リンゴジュースが欲しかったのだがなかったので、何でもイイやとダイエットコーラ(スパイスガールズ?のイラスト入)にし、お金を払おうとしたら「いらないよ」と言われた。すごい、ファーストクラスは飲み物もタダなのだろうか(注:どうやらそんなことはないらしいと後でわかった)。そうこうしているうちに、あっという間にケンブル駅に着いた。これでフレキシー一日分とは、ちょっともったいないことをしてしまったかもしれないが、根がのらくらなので、チケットを毎回窓口で並んで買うことを考えると、フレキシーの便利さは手放しがたい。
予定より早く着いてしまったのだが、駅前にバスが来ていたので尋ねると、サイレンセスター行きはやはり1時間後だという。駅の待合室でパディントン駅で買っていたバゲットサンドを食べて待っていたら、駅員さんが来て「列車を待ってるのか」と聞く。「バスを待ってる」と答えると、何だかよくわからないことを言いながら、ホームに通じるドアに鍵をかけて行ってしまった。
あとは、もう一人バスを待っている男性がいるだけ。彼は電話をかけたあと、どこかへ姿を消した、と思ったら、ぱりっとしたスーツに着替えてきて、わたしに「タクシーで一緒にサイレンセスターまで行かないか」という。「タクシー代シェアしようということですか?」と聞くと、「違う違う、わたしは仕事で来ているから、あなたはタダでタクシーに乗せてあげる」と言うではないか。これはラッキー、喜びを表さなければ、と、必要以上に「まぁうれしい、なんて親切なんでしょう!」とにじり寄ってしまい、「まだタクシーは来ていませんよ」と言われてしまった。
それから10分ほど待って、ようやくタクシーが到着。わたしは後ろの座席に乗せてもらい、もう極楽である。よくわからないが、ドライバーとの会話を聞いていると、男性はアメリカ人らしい。こんな田舎に何の仕事なんだろうか。
これはあとで勝手に想像したことだが、サイレンセスターという所は特に目だった産業というのはない(羊毛ぐらい?)。しかし、昔むかしはロンドンに次ぐ大都市だった。他のコツウォルド地方の街と同様、産業革命に乗り遅れたおかげで、アンティークな物が沢山残り、現在は街のあちこちに高そうなアンティークショップがある。そういったものの買い付けに来ている人なのかもしれない。
ドライバー氏がわたしに「日本人?今日は午前中日本の若い女性を3人バイブリーまで乗せたよ」と話しかけてきた。「バイブリー、わたしも明日行くつもりです」と答えると「バイブリー、バイブリー、バイブリー!なんで日本人はみんなバイブリーに行きたがるのかね!他にも良い所はいっぱいあるのに」と言われてしまった。彼は「その子たちはわしの写真も撮っていったよ、わっはっは!」と言うので、「写真撮ってもいいですか」と言い出しそびれた。
■サイレンセスター、そしてバイブリー■ ▲TOP▲ ▼NEXT▼
サイレンセスターのツーリストインフォメーションの前でタクシーから下ろしてもらい、親切なアメリカ人の男性と握手して別れた。
わたしが持っていたガイドブック『個人旅行イギリス編』には、「コツウォルド地方にはツーリストインフォメーションはチェルトナムとチッピングカムデンにしかない」という記述があるが、そんなことはなく、バスが停まるような村にはちゃんとツーリストインフォメーションがある。ただし、開業時間が短かったりするので、あらかじめロンドンのトラベルセンターなどでツーリストインフォメーションの一覧表などをもらっておいた方がよい。
さて、ツーリストインフォメーションで2泊の宿をお願いする。ここのインフォメーションの受付の女性はとても感じの良い人で、言葉もわかりやすいようにはっきり発音してくれて、大変助かった。歩いて10分ほどのB&Bを紹介してもらったが、なんとツインの部屋をシングル料金で借りることが出来た。しかも、今回はシャワーではなくバス付きである。ドレッサーも付いてるし、インテリアもちょっとカントリー調でこざっぱりしている。大柄なミセスもとてもフレンドリーだ。
少し休憩してから町中を歩いてみた。サイレンセスターは想像していたより大きな街だった。といっても、歩いてまわれる程度の街だが。中央にそびえる教会を中心に、メインストリートがひろがっている。ローマ時代の博物館があり、ローマ時代のモザイクなどが展示されている。ローマ人の食事メニューなども面白い。また、大きな公園があって、その外れには、やはりローマ時代の城壁や砦の跡が残っている。街の建物は黄色っぽい石を使って造られている。よくコツウォルド地方は「はちみつ色の風景」と描写されているが、全体が黄色っぽく、なんというか、砂っぽい感じもする。
再びインフォメーションセンターに戻り、バイブリーなどへ行くバスの時刻を教えてもらおうとした。が、「明日は木曜日、バイブリー行きのバスはないんですよ」とのこと。「帰りのバスはあるから、行きはタクシーで行って、帰りはこれに乗って帰ってくるといいわね」と教えられた。路線バス、なんで毎日走っていないんだ…!ちょっと衝撃的。
とにかく、ここは店が閉まるのが16:30である。遅くても17:00。観光していたら買い物するヒマもない。公園などをぶらぶらし、ウィンドーショッピングをして一旦B&Bに戻ったら、ドアのところで日本人の女性Yさんとあった。彼女もわたしの少し後に飛び込みでこのB&Bにやってきたのだ。レンタカーでイギリスを回っているという。ペーパードライバー歴10年?のわたしにはうらやましすぎる。バイブリーのことを話したら、「これから行ってみない?」と言われ、急遽バイブリーまでドライブすることになった。
沿道の景色は、夕日に照らされ、牧草地も建物も金色に輝いて、たしかにはちみつ色だった。少し日の落ちた夕暮れのバイブリーは、小さな川の流れるとても美しい静かな村だ。もしツアーだったら、ここで泊まりでもしない限り、夕暮れの景色を観るなんて無理だろう。Yさんに心から感謝。
夕食は郊外の大型スーパー(ここはなんと夜11時まで開いている。ありがたい)で、サモサや春巻き、果物、ビールなどを買いこみ、わたしの部屋で食べた。困ったのは栓抜きがなかったことだが、Yさんが頑張って部屋のキーなどを使って開けてくれた。
なぜかアランセーターの匂いがYさんのツボに入った。そんなにクサいかなぁ。久し振りに日本語で盛り上がり、楽しい時間を過ごした。23:00過ぎにYさんが自室に帰った後、せっかくのお風呂の付いた部屋なのに、眠気が襲ってきてそのまま寝てしまった。
8月14日 木曜日
6:00起床。朝風呂に入る贅沢。朝食後、ロンドンへ向かうYさんとインフォメーションセンター前で別れ、9:42チェルトナム行きのバスに乗る。ここのバスはあらかじめ片道(Single)か、往復(Return)かを言わなければならない。もちろん往復だと安くなる。バスは田舎道をブンブン飛ばす。
チェルトナムはコツウォルド地方では大きな街で、温泉で有名。各村へのバスもここから沢山出ている。街全体がきれいに整備され、プロムナードではギター弾きのおじさんがおしゃれな音楽を奏で、ちょっとした都会だ。大きなスーパーBootsもあったのでお土産用にオリジナル化粧品を買う。さすがはイギリス、アロマテラピー用品が充実しているようだ。
予定では明日金曜日に湖水地方へ移動し、日曜日に湖水地方からロンドンまで帰るつもりなのだが、日曜は列車の本数が少なく、またハイシーズンだということから、どちらの列車も予約しなければ乗れないような気がしてきた。この街のツーリストインフォメーションで列車の時間を調べてもらう。ちゃんと到着希望時刻にあわせて接続までをプリントアウトした物をくれるのでありがたい。やはり予約をお勧めしますと書いてあるので、午後どこかの駅で予約をしようと決める。
ここにはコツウォルド地方のパンフレットも豊富に揃っている。シュードリー城のパンフレットを見つけ、ウィンチクームへ行くことにした。
ウィンチクームのバスステーションからは歩いてシュードリー城へ行く。のどかな風景の中に道があり、行けども行けども城が見えてこないので心配になった頃、木立に隠されていた城がようやく姿を現してきた。城の広大な敷地内にはこどもの遊園地があって、家族連れでゆっくりピクニックに来ている人達も沢山いるようだ。車の列に割り込んで、入場券を買う。
城の中に入ろうとしたら、ドアは閉まっていてドアノブがなく、ノッカーがぶら下がっている。ノックは3回以上だっけ、と思いながら何度かノックしたけど反応がない。焦って押しても開かない。がちゃがちゃやったあげくよく見たら、ノッカーだと思っていたのが実はドアノブで、それを回すようにちゃんと書いてあった。ノブを回すとあっさりドアは開き、中にスーツを来た兄ちゃんが難しそうな本を読みながら静かに座っていた。全部聞こえていたんだろうな、くー、恥ずかしい。
シュードリー城というのは、ヘンリー8世の6人目の妻キャサリン・パーが、夫の死後暮らしたところだ。内部はとてもこじんまりした感じで豪勢な印象はないが、特別にデザインされたステンドグラスや調度品など、さりげなく贅沢だ。ウィリアム・モリスがデザインしたという部屋もあった。庭もきれい。『シャイニング』に出てきそうなちょっとした迷路?もある。付属の教会の中には、主キャサリン・パーの墓があり、大理石の彫像が横たわっていた。
チェルトナムへ戻るバスが来るのでそうゆっくりもしていられず、とっととバスステーションに戻り、再びチェルトナムへ戻る。とっくに正午をまわり、お腹も減ったが時間がないのでサンドイッチを買い、いったんサイレンセスターに戻り、テットベリー行きのバスに乗る。途中で、列車の予約をしようとケンブル駅で降りた。が、駅舎は閉まっていて、待合室にも入れない。昼休みか?と思ったが、人のいる気配もない。駅の中をうろうろしていたら、インフォメーションのパネルに、営業時間が書いてあった。なんと、13:30まで。
予約はあきらめてテットベリーへ行こうとしたが、バスも全然ない。しかたなく、昨日のアメリカ人の男性と同じように電話ボックスからタクシーを呼んだ。15分ほどすると、腕に金色の毛をはやしたいかつい兄ちゃんがハイヤーを転がしてやって来た。助手席に乗ったが「あついですねぇ」ぐらいしか話すことがない。沈黙していると兄ちゃんがラジオをつけたので、ややほっとしながら、金色の牧草地の間のドライブを楽しんだ。
テットベリーに着いたが、そこのインフォメーションセンターも早々と閉まっていた。サイレンセスターに戻るバスは19:00までない。これから2時間以上、何をすればいいのか途方にくれる。
テットベリーはなかなかかわいらしい村だが、どこに王室御用達の店があるのかは皆目不明。あったとしてももうクローズしている。それに心なしか、人の態度がつめたい。今まではこちらが「こんにちは」と言えば大抵「ハロー」と返してくれたのに、ここではじろっと見られるだけのことが多い。
村中をうろうろ歩きまわり、村中のネコの写真をとり、足を棒にして、18:50にバス停まで帰ったら、バスの中では運転手とガールフレンドがフィッシュアンドチップスを食べていた。バスは先払いなのでお金を払いたいのだが、待てと言われたのでそこらへんに座って二人が食べ終るのをボーっと待つ。気まずい。
結局バスの乗客はわたしだけ。二人はわたしのことなんか無視しておしゃべりしている。なんだか二人のデートに割り込んでいるみたいで居心地が悪い。わたしは意味もなくショートパンツから出ているガールフレンドのふとももなんかを見ていた。
20:00前にサイレンセスターに戻った。結局食べる機会がなく持って歩いたサンドイッチと、昨日スーパーで買ったサルサヌードルを部屋で食べて夕食。湯沸かしがあるので助かるが、このサルサヌードルは超マズ。日本のカップヌードルが恋しくなる。部屋に置いてあったオーナー手作りのパンフレットを見ていたら、「ベッドルームではものを食べないで」と書いてあるのを発見。わーん、ごめんなさい。あわててゴミ箱のなかのカップその他のゴミをビニール袋に入れ、デイパックに突っ込んだ。あした、どこかで捨てよう。
明日は移動なので早く寝ようと思ったが、TVでユル・ブリナー主演の古い映画をやっていたのでついつい観てしまい、1:00すぎまで起きていた。ようやく寝たと思ったら3:00すぎ、隣の部屋でお風呂に入る音がして起こされた。いくらなんでも3:00はひどいんじゃないだろうか。
8月15日 金曜日
7:00すぎ、めちゃめちゃ眠いけど起きて荷づくりをする。今日も晴れていてこのあたりは暑くなりそうだが、今日移動する先の湖水地方は北の方だし、少し肌寒いかもと思い、長そでを着る。チェックアウトのとき絵葉書を3枚おみやげに。
バス待ちの間、宝飾店で、ウィンドウでみて気になっていたエナメルボックスを見せてもらった。スタフォードシャーのエナメル細工で、厳密にいうとこの地方のものではないのだが、このサイレンセスターを描いたボックスがきれいで欲しくなってしまったのだ。でも少し高かったので、ドイツの家族へのお土産だけを買う。赤ん坊の絵の描かれた小さなピルケース。結局コツウォルド地方の絵葉書は一枚も買えないまま、昨日と同じ9:42発のバスに乗り、サイレンセスターを後にした。
チェルトナム・スパ駅は、チェルトナムのバスステーションからえらく遠かった。歩いて歩いてようやく到着し、駅のインフォメーションでこれからの列車の予約をしようと思ったが、当日の予約は出来ないと断られた。ひょっとしたら乗れないかもしれない。これから行く湖水地方のホテルは予約してあるのに…ええい、ままよ、満席だったら廊下に座ればいいやと心を決める。
ロンドンからデュッセルドルフに帰る飛行機の予約再確認もしなければならない。ブリティッシュ・エアウェイズの電話は、ガイドブックに載っていたのとは変更になっていた。さらに、自動応答になっていて聞き取るのに一苦労。よくわからないので、人間と話した方がましだと思い、「その他の質問」の番号を押すと、ちゃんと人間が出てきて応対してくれた。何度か予約再確認をしてわかってきたが、格安チケットと違って旅行社で手配したチケットは、予約再確認は特に必要ないらしい。今回も不要だと言われた。さらになにやら言われたので「スミマセン、英語がへたなのでよく聞き取れないんですが」と言うと、「Don't worry、良い旅をって言ったのよ」と笑われてしまった。また大汗をかいた。
列車が着いたので乗り込んだが、拍子抜けするほど車内はすいていた。12:07、オクスンホルムへ向けて出発。
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